シナイの王国

演劇部顧問ナカムラのあれこれ

高校演劇の達人 続き

猪俣先生の指導は、面接指導やクラス経営と同じだった。
「きちんとしゃべりなさい」「人の方を向きなさい」「ちゃんとまっすぐ立ちなさい」
「仲良くしなさい」「しっかり話し合いなさい」「思いやりを持ちなさい」

とにかく部活に行って、(行ってません、すみません猪俣先生)分かっても分からなくても
独断と偏見でも(当時この言葉が流行りました)ダメ出しをしてきなさい、と
教わった。基本的にはこのやり方を踏襲している。

さて関東の巨人は相変わらずお元気であるが、そのうち失礼ながら
自分と同じような考えを持っている人が全国にいるのではないか、
ということにきがついた。
同好の士だ。というかこちらで勝手にそう思っている。

大げさな身振り、台詞回しがなく、すべてに抑制がきいていること。
なにかのフィルターを通した人物の造形や設定でなく、できるだけ公平な目をもっていること。
言葉、台詞が説明的でなく、すべてを言い尽くそうとしないこと。
感情や気持ちの表現でなくナマの人間の存在を舞台にのせようとしていること。

自分が目指そうとしていることをすでに実践している人がいることで、たいへん勇気づけられた。
というよりもこの人たちによって目を開くことができた、ということです。

同好の士とこちらで勝手に思っているので、お名前は挙げませんが、全国のあそことあそこと
あそこにいらっしゃいます。