シナイの王国

演劇部顧問ナカムラのあれこれ

関東の外れ

外れも外れ、端も端、田舎も田舎だがもともと天領、一応徳川のお膝元である。関東と認めてもらおう。見栄っ張りで人間の底が浅い。ねばり強さがないが意地は張る。素直でない。無垢であることにあまり価値を置かない。うちの方ではいい息子よりうまい息子、息子は若者のことだが、いい息子はぎり褒めことばだがちょっとした軽侮の色があり、ほんとうに好かれるのはうまい息子。みんなの合い言葉はすべっこくやろう、である。理屈を嫌う。原理主義より機能主義、苦手な人は信州人。あとナイーブな人もダメ。ナイーブには素朴という意味もある。

「由来ぼくの最も嫌いなものは、善意と純情との二つにつきる。」中野好夫の『悪人礼賛』だが甲州人?松山生まれか。伊予か。こんなに気持ちのいい文章の書き出しはない。わが意を得たりとはこのことだ。

そういえば峡北高校で初めて関東大会に出たとき、平田オリザが審査員で、講評で「悪意のある作品」と言われた。その通り。そうだった、悪意があったんだ。そうだ悪意だ。思い出した。そういえばおれには悪意があったんだ。どこかにしまっておいたんだがどこだったかな。次までに探しておこう。えーと、次の大会までに。