シナイの王国

演劇部顧問ナカムラのあれこれ

ダブルバインド

先生がよく言う「それでいいと思っているのか!」というのがダブルバインド、二重拘束で、これをされるとひどく不安定になる。繰り返されると精神に変調をきたす。「いいえ!」というと「じゃ、なんでしないんだ」と言われ、「はい」と言うと「なんだと!」と言われる。どっちを取っても成立しない。うちの方の子供の遊びに「富士山がいい?ぞうきんがいい?」というのがあって腕をつねられるかひねられるかどちらかを選べ、というひどい遊びだが、やられる方もやられると分かっていて、じゃ富士山、いてて、とか言っているわけだ。
頭をなでられながらおしりをつねる行為である。これをされるとあれ?おかあさんはぼくのためを思ってくれてるのに変だなあ、あ、ぼくが悪いんだ。

もうすでになんらかの拘束を受けているのは当然で(引力とか能力とか)それをおれはなんの拘束も受けていない、自由だ、おれが考えたことは真実オリジナルであって、独特だとか思っている人はそれ自身とんでもない思いこみである。不自由を自覚していないこの不自由さ。