シナイの王国

演劇部顧問ナカムラのあれこれ

セルフイメージ

自分が自分に抱いている像はこれはもう実物よりも良いわけで、本当のところとは似ても似つかぬものになる場合すらある。つまりセルフイメージとホントのとことは何の関わりもない、と言ってもよいくらいだ。経験上、不思議なことだが悲観的な人ほどセルフイメージがよいのはなぜだろう。自己嫌悪があっておれはダメだダメだとよく言う人のセルフイメージが決定的にダメかというと、えらくよかったりする。

「こんなことにこだわるおれが時代遅れと言うことか」ここで決定的なダメさは表現されない。いえ、頭が悪いだけ、と傍では思っても言えないし、いいえそういう問題ではないと思います、というと怒られたりする。つまり、「時代遅れ」というセルフイメージは彼にとって決定的にダメではなくむしろ誇らしいことであったりするわけだ。
「おれみたいな熱血で…」という人といっしょ。

まだあります。
「おれがその役割を担うことでだれかそうしたい人の邪魔をするわけにはいかない」
「先生、ぼくは『帝王学』を学びたいのですが、大学の何学部に行けばいいのでしょうか」
なんてピュアなおれ。

おれは人が悪いので(これも決定的にダメなセルフイメージではない)思わず自分のことをよく言ってしまったセルフイメージ発言の収集が趣味です。

言い忘れましたが、いえすごい人なのでいくら自分のことを褒めても全然よいのですが、たぶん自分でも気づいていないセルフイメージどこまでいいんだ発言のものすごい人は谷亮子です。「前人未踏の世界選手権七連覇」とか自分で言うんだ。有森の有名な発言の方がどれだけ謙虚か。