シナイの王国

演劇部顧問ナカムラのあれこれ

批評すること

よく考えたら別に「思わせぶり」な人は特に罪が深いわけではない。思わせぶりな人には答えようがない。あるとすれば「ああそうですか」という一言で、だって答えようがない。困った人は他にいる。それは「とんちんかん」な人だ。「八百屋批評」をする人である。
「八百屋批評」とは、八百屋に行って、「ここには牛肉がない」とか「ここにはミシンがない」とか言う人で、何かがないこと、企図していないものがないことを、作品の重大な欠落・瑕疵としてあげつらう人である。もちろん作者も気付かなかった作品の意味において、というようなレベルでなく、自分の好き嫌いにおいて、である。
こちらが何をやろうとしているかを、あえて無視しているのか、気がつかないのか、興味がないのか、いくら下手でも「ああ、こういうことをしようとして失敗したのだな」と、そこから先は厳しくてもいいから、そこまでは認めてから始めてほしいものだ。

もちろん批評は批評で自立性を持つべきで、実作のために役立つべきだとは言わない。こちらも人に難癖付けてるだけなのでどれだけ無惨なことを言われてもしかたがないと承知している。参りました、失礼しました、ここまで言われると気持ちいい、という批評に出会いたいところです。

あとやっぱり部員は地域の演劇の宝ですのでやる気をなくさない言い方でお願いします。あと何十年も作り手・観客であるように。