訓練は効果がないと意味がない。特に部活の時間は限られているし、高校生活も限られている。
いろいろ悩む暇はない。というか悩むなら悩んだ先に、
何かいいことが待っているところで悩んでほしい。
ところがこの効果というもの、直接、すぐ、目に見えるものではない。
長いことやらないと効果が現れないと嫌になる。
ダイエットと同じで、エアロバイク10分やってすぐ体重計に乗っても何も変わらない。
当たり前と言えば当たり前。そこで顧問の出番だ。
訓練のの内容にもよるが、
1 恐い顔をして「やれ」、と言う。
2 なぜやった方がいいのか、こんこんと諭す。
3 やらないとまずい雰囲気を作る。
4 以上の方法を部長にさせる。
以上の4つの態度が有効だ。
だいたい1を3割、2を2割、3を2割、4を3割の割合でやっている。
もちろん人によって、とらえ方が違うので、1だけ受け取る人もいるし、
2だけ受け取るような優秀な人もいる。
さて訓練というと、練習の最初に走る。学校の外周が約1㎞。3周。
なぜ走るか考えをまとめてみると次のようになる。
ランニングをすると、
1 心肺機能が高まる。(肺活量が増える)
声出すのだから大切だ。
2 結束が強くなる。
みんなでペースを合わせながら走るようにしている。
3 理不尽なことに耐えられるようになる。
効果が分からないうちは、なんでこんなことをと思っていることだろう。
しかし嫌でもやらなきゃいけないことはままある。
4 筋力が増し、立ち姿がきれいになる。
立ち姿はほんとに重要。
5 体力増強。
60分動きっぱなしという芝居をやってみたい。
6 目標に対して努力が報われる過程が体験できる。
走ってると、あれ、こんなに声出たっけ?という瞬間がいつかやってくる。
ただ、これを体験できることそれ自体が成長なんだけど。
7 演劇部頑張ってる、と周りが認知する。
これ非常に大切。こういうことに対して教員は非常ににぶく、いまだに演劇部は楽だろう、
くらいに思ってる人がいる。あるいは台詞覚えるの大変でしょう、とか。
あの台詞覚えたところで一合目なんです。サッカーで言うとスパイク履いたところです、
というと納得してくれた。凄く速い女子バスケ部などが、演劇部速いですよ、
などと言ってくれるとしめたもの。運動部でも結構走らないところ多いのですね。
8 遅い人に対し合わせることにより、速い人はしょうがないなあ、と思い、
遅い人は、あ、まずい、頑張らないと、あるいは、またあの先輩やな顔してる、と思い、
お互いに相手のことを考えることができる。どのような思いであれ。
つまり不満であれ、思いやりであれ、他人と関わることが演劇においては必要だ、ということで、
普段から他人のことを考えずに、自分の欲求の充足だけに一生懸命の人は困るのだ。
それが表に出る人も、隠してじーっとしている人も。
9 演劇って、ただ声出せばいいんじゃないんだ、と、つまり蒙を啓くことができる。
特に声優志望の不思議ちゃんが入ってきた場合、
なんか口先で、のど締めて小器用に声出すのをやめさせるのに有効。
あるいは早く引き取ってもらうのにも有効。
いいことずくめだ。