シナイの王国

演劇部顧問ナカムラのあれこれ

創作台本の作り方 1 演劇の得意なこと

  平成19年7月7日(金)

  平成19年度群馬県高校演劇部会技術講習会
  創作台本の作り方

1 演劇の得意なこと

もちろんあなたがいちばんやりたいことをするべきだ。
  同時にあなたがいちばん好きなことをするべきだ。
  同時にあなたがいちばん得意なことをするべきだ。
  しかし、ことはあなただけの問題ではない。
  演劇の得意なこと、つまり演劇に向いていることを考える必要がある。
  
  演劇の特徴を次のように考える。
  ライブであること。生身の人間がその場でおこなうこと。
  舞台はすべて見渡せること

  では映像の特徴は。
  複製であること。(繰り返し可能・何度見ても同じ)
  視点が決まっていること(監督の見せたいものを見せたい角度から見せる)

  演劇の得意なことを考えよう。
  演劇の得意なことは、生身の人間の声・動き・表情であり、すべてを見渡せる舞台である。

  映像には映像の、小説には小説の、得意なことがある。
  
  ハリー・ポッターは何億円もかけてCGを作っている。
  そこではじめて魔法使いという存在にリアリ  ティーが生まれる。
  口で「わたしは魔法使い、この世界の人に魔法を使うことを知られてはいけないの」
  かなんか言って、だれが信じてくれる?
  
  生身の人間に「涼宮ハルヒ」ができるか?ラノベは演劇的ではない。
  
  現実生活でフィクションを生きる人たち→中二病邪気眼・キャラ萌えの方々

  自分の好きなこと妖精?「涼宮ハルヒ」?猫耳?脚本に反映させたいかもしれないが
  ちょっと待って。
  自分のこと(自分の好み)ばかり言っているとつまらない。
  自分の好きなこと・知っていること・こうあってほしいこと→劇を作りながら自分の
理想の自分をみんなに見せようとする。観客は興味があるだろうか?
  好きなことをやるのはよい。ただ、演劇を勉強し、みんなで切磋琢磨しあったあとの
  やりたいことは最初と違ってきているはず。みんな演劇を勉強しよう。
 
  演劇の得意なこともう一つ→空気をつくること
  空気は他人との共同作業でつくる。観客も作る。
  声・言葉に頼りすぎない。→「わたしは魔法使い」
  動き・絵で見せよう。→ほんとに宙を飛ぶ。