シナイの王国

演劇部顧問ナカムラのあれこれ

台詞

10年やっている間にどんどん台詞が短くなって、
だいたい一行35字の設定で台本を書いているが、
一行を越えることはまずない。
長くなりそうなときは、だれかが「うん」とか、「へえ」とか、
あるいは余計なことを口を挟んだりして、長くならないようにしている。

まず、日常会話でながながしゃべる機会が、教員でもなければ、ない、
ということがある。
それから、指摘のあったように、短い受け渡しが、むしろ
言葉の咬みあわなさを表現できるということ。

みんなが感心するような、いい台詞にならないよう、
注意深く、短くするのである。
だれか僕がいい気になって、いい台詞を書いていたら、
注意をしてください。

もうひとつ、ここで練習をしているが、文章として、
いわゆる筋悪にすることだ。筋の悪い文章、悪文である。
これはもう、最初意識して筋悪の文を書いていたら、筋の悪い文しか
書けなくなった。芸術のためとはいえつらいことだ。真剣に受け止めないように。

理想を言えば脈絡のない断片を集めて、一幕が出来上がれば言うことはない。